毎年10月末から11月中旬にかけて東京都内で数多く開催される、デザインイベントやアートイベント。昨年は新型コロナウィルスの影響もあり大規模なイベントが少なかった印象を受けますが、2021年は復活し、リアル開催を行うところも戻ってきました。
この記事では、都内各所で開催されるたくさんのイベントの中から、編集部のおすすめを8つご紹介します。
■Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2021
東京ミッドタウンが主催する、“デザインを五感で楽しむ”をコンセプトにしたデザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」。14回目の開催を迎える今回は「デザインの裏 -Behind the Scenes of Design-」をキーワードに、建築・デザイン事務所のnoizや実験的タイポグラフィ集団の大日本タイポ組合、YKK APが参加しています。
noizは芝生広場を舞台にインスタレーションを展開。一見、パネルの集合体にしか見えない3つの構造物ですが、ある特定の位置から見ると多くの人が知るイメージが見えてくる作品となっています。大日本タイポ組合はミッドタウン・ガーデンに「文字のカタチと意味」をテーマにした作品を展開。YKK APは、クリエイティブディレクターにプロダクトデザイナーの鈴木啓太さんを迎え、3Dプリンターでつくる新しい窓のプロトタイプデザインの展示「未来をひらく窓―Gaudí Meets 3D Printing」を開催しています。
会場:東京ミッドタウン各所
https://www.tokyo-midtown.com/jp/event/designtouch/
■KURADASHI~発想の原型~
今年で5回目となるデザイン&アートフェスティバルの「DESIGNARTTOKYO(デザイナート トーキョー)」は、「CHANCE! ~かつてないチャンス~」をテーマに、さまざまなイベントを開催しています。メイン会場のワールド北青山ビルで行われる「KURADASHI~発想の原型~」は、クラウドファンディングサービス「うぶごえ」と共に、まだ市場に出回っていないクリエイターの貴重な作品を実際に目で見て購入できるイベントです。
本イベントではキュレーターにデザイナーの倉本仁さんを迎え、国内外の若手から著名デザイナーまで多くのクリエイターが参加。彼らが試行錯誤を経て生み出した作品の原型や、さまざまな理由でアトリエや倉庫に眠り市場に届くことの無かった秘蔵の作品を展示販売します。普段は手に入らない貴重な作品を、価値性に共感するユーザーへと届けるクリエイティブマーケットです。
【参加デザイナー・アーティスト】
秋山亮太、芦沢啓治、安積朋子、Anker Bak、板坂諭 / h220430、we+、Victoria Wilmotte、Øivind Slaatto、Gabriel Tan、熊野亘、Claesson Koivisto Rune、倉本仁、GELCHOP、柴田文江、Sho Ota、鈴木元、Daniel Rybakken、寺山紀彦、DRILL DESIGN、長坂常 / スキーマ建築計画、藤城成貴、前田麦、松山祥樹、minä perhonen、元木大輔、柳原照弘、山中一宏、Yusuke Seki、YOY、吉行良平
会場:ワールド北青山ビル
https://designart.jp/designarttokyo2021/articles/51/
■アートウィーク東京
東京都内50のギャラリーと美術館が参加するアートイベント「アートウィーク東京」。東京という都市の文脈に息づく現代アートを世界に向けて発信するためのプロジェクトで、東京国立近代美術館などの国立美術館から、ワタリウム美術館や森美術館といったプライベートミュージアムなど、現代アートを牽引してきた都内50のギャラリーと美術館が協働する大規模イベントです。
会期中は毎日、各美術館やギャラリーをつなぐ「アートバス」が巡回。全4ルートで、50のスポットに手軽にアクセスできます。また、「アートウィーク東京」公式YouTubeチャンネルでは、日本の現代アートの美術史的文脈やその楽しみ方に焦点をあてたオンライントークイベントも配信されます。
会場:美術館6館、ギャラリー44軒、AWTインフォメーションセンター(東京都港区南青山5-4-30)
https://www.artweektokyo.com/
■ZAHA HADID DESIGN 展
2016年に急逝した建築家、ザハ・ハディドにフォーカスをあてた展示「ZAHA HADID DESIGN 展」が、東京・西麻布のKarimoku Commons Tokyoにて開催されます。本展では、ザハ・ハディドの作品アーカイブの中から選定された、アンビルトを含めた建築モデルや、ザハ・ハディド・デザイン(以下、ZHD)が10年以上にわたって手がけた照明やカーペット、ファインジュエリーなどジャンルを超えたさまざまなコラボレーションによる作品が並びます。
各作品はZHDがデザインし、カリモク家具が製作した巨大なジオラマのような木製テーブルに展示。また、ZHDとカリモク家具の新しいプロジェクトである「SEYUN(セイユン)」の紹介も含め、展示される作品の多くは日本初展示のものも多く含まれます。
会場:Karimoku Commons Tokyo
https://commons.karimoku.com/
■TOKYO ART BOOK FAIR 2021
日本で初めてのアートに特化したブックフェアとして2009年にスタートした「TOKYO ART BOOK FAIR」。国内外から独創的なアートブックをつくる出版社やギャラリー、アーティストらが年に一度東京に集結し、作り手たちが直接本の魅力を伝える場を提供し続けています。
昨年、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止となり、バーチャル空間でのアートブックフェア「VIRTUAL ART BOOK FAIR」が開催されましたが、今回はオフラインとオンラインの両方の会場での開催です。オフライン会場は東京・清澄白河の東京都現代美術館にて、10月28日から31日まで。オンライン会場は10月22日からスタートしており、オフライン会場と合わせて10月31日にクローズします。
オフライン会場(TABF 特設Webサイト):2021年10月28日(木)~10月31日(日)
https://tokyoartbookfair.com/
■SPREAD by SPREAD 明日は何色?
「カラーとコンセプト」を特徴にしたグラフィック、プロダクトなどのデザイン&ディレクションを行うSPREADが、東京・青山のスパイラルガーデンにて「SPREAD by SPREAD 明日は何色?」を開催。
「色は喜び」というコンセプトのもと、SPREADの特徴でもある“色”を媒体に、2021年9月にイタリア・ミラノで開催したデザインプラットフォーム「ALCOVA」のイベントで注目を集めた新作アートワークとともに、近年国内外で発表した作品が展示されます。
会場:スパイラルガーデン
https://www.spiral.co.jp/topics/spiral-garden/spread
■WIRE-FRAME展
ワイヤー金具メーカーの荒川技研工業が運営する、東京・表参道のTIERS GALLERYにて、額縁メーカーのアルナと荒川技研工業の共催による「WIRE-FRAME」展が開催されます。
ともにインテリアの中の一素材を提供する会社として、製品開発を行ってきたアルナと荒川技研工業。2021年6月に両社の取り組みによるアルミフレーム「DUO」が完成。本展では、美術家の野老朝雄さん、建築家・デザイナーの長岡勉さん、美術家の四方謙一さんの3名が「DUO」から発想した作品を展示します。
会場:TIERS GALLERY by arakawagrip
https://www.arakawagrip.co.jp/tiersgallery/
■JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK 2021
日本各地でつくられる「伝統的工芸品」を東京都内のライフスタイルショップで紹介し、「創り手」「売り手」「使い手」を繋ぐ、14日間にわたる応援イベントです。
陶磁器や漆器、染織、和紙など多様な工芸品がある日本において、なかでも経済産業大臣の指定を受けた伝統的工芸品は2021年10月現在で236品目もあります。本イベントはそんな日本の伝統的工芸品産業を振興するため、1975年に設立された一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会が主催を行っています。
会期中は青山エリア、中目黒エリア、銀座エリアと大きく3つに分かれ、全38店舗で伝統的工芸品を見ることができます。なお、参加店舗を巡り、スタンプを5つ集めてメイン会場である「伝統工芸 青山スクエア」に行くと、選りすぐりの工芸品が抽選で当たるプレゼントキャンペーンも行っています。
会場:伝統工芸 青山スクエアのほか、全38店舗
https://jtcw.jp/2021/
以上、ほんの一部のイベントをご紹介しましたが、読者のみなさんが行きたいと思うものはありましたか?「芸術の秋」とも言われ、気候とも相まって外出欲が高まるいまの季節。感染症対策をしっかり行った上で、デザインやアートに触れるお出かけを楽しんでください!