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集合住宅、店舗、オフィスなどからなる複合施設「代官山ヒルサイドテラス」内にある、デザイナー・アーティストの北川一成さんが代表を務めるGRAPHのオフィス。同空間のデザインを手がけたのは、G ARCHITECTS STUDIOの田中亮平さんです。
白を基調としたインテリアで統一された空間について、具体的な手法や特徴などお話をうかがいました。
■背景
GRAPHのオフィスの移転計画、入居先は槇文彦氏が設計した名作のヒルサイドテラス。部屋は地名の由来でもある猿楽神社のある猿楽塚に隣接していて、窓から見える保存樹木の緑が美しいことが印象的だった。施主は槇氏設計の大学校舎にかつて通っており、同じ空気感をもつこの建物を気に入り、入居を決めたという。
■具体的な手法・特徴
課題となったのは、いわずと知れた日本建築界の傑作の一つでありながら、計画前の部屋は改変が繰り返されており、極めて凡庸なインテリアになり果てていたこと。まずは窓を手がかりに検討をスタートした。
ヒルサイドテラスは隣棟間のほどよい距離間を保つ窓の配置とプロポーションが絶妙で、雑誌や書籍などで理解していたつもりだったが、現場に通うたびに発見があった。
設計方針は、オリジナルを尊重すること。手数としては家具をレイアウトをするだけでデザインし切るとともに、インテリアは「白」で一貫させた。白で一貫した理由は、施主の本業であるグラフィックの検討するために要素は限りなく省略することと、窓から切り取る風景の抽象性を保つためである。それは、かつての校舎と竣工当時の建物を想像しながらの設計だった。
引き渡しが終わり、真っ白なエントランスに4色のスリッパが置かれた。印象的なその風景から、見え隠れするその意味を考えてしまうのはこの建物だからだろうか。
所在地 | 東京都渋谷区猿楽町 |
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設計 | 田中亮平/G ARCHITECTS STUDIO |
施工 | ニュウファニチャワークス |
構造 | RC造 |
延床面積 | 126m2 |
竣工日 | 2021年6月27日 |
撮影 | 志摩大輔 |