セミも鳴きはじめ、いよいよ夏本番の時期がやってきます。旅行する予定はないという方や、ちょっと非日常感を味わいたい、デザインやアートに浸ってリフレッシュしたいという方も多いのではないでしょうか?
本記事ではこの夏に行ける、想像力や創作意欲を掻き立てるような、編集部おすすめのイベント&展覧会を紹介します!
■CLAMP展
東京・六本木の国立新美術館で9月23日まで開催されている「CLAMP展」。女性4人の創作集団CLAMPの活動の軌跡をたどる本展では、デビュー作『聖伝-RG VEDA-』から最新作『カードキャプターさくら クリアカード編』までの23作品を網羅した、なんと800点もの原画が集結。
会場では、CLAMPの頭文字をそれぞれ、「COLOR」「LOVE」「ADVENTURE」「MAGIC」「PHRASE」というエリアに分け、テーマごとに原画を展示しています。そのほか2つのエリアを加え、全部で7つのエリアから構成されています。
ファンそれぞれにとっての、「あの作品のあのカット」が贅沢に並ぶ本展。展示の最後には本展にあたっての貴重なインタビュー回答や書きおろしカットもあります。CLAMPの35年にわたる創作作品が一堂に集まる貴重な機会を逃さないでください…!
会場:国立新美術館 企画展示室2E
https://www.clamp-ex.jp/
■「オバケ?」展 〜史上初のオバケ万博へようこそ〜
東京・立川のPLAY! MUSEUMにて、7月13日から9月29日まで開催されている本展。古今東西の文学や絵本、漫画、映画などのさまざまな分野で人々が生み出してきた「オバケ」をテーマにした展覧会です。
会場では、『おばけのバーバパパ』(作:アネット・チゾン、タラス・テイラー、訳:やましたはるお、偕成社 1972年)の会いたくなるかわいらしさ、『ねないこだれだ』(作・絵:せなけいこ、福音館書店 1969年)の思わず逃げ出したくなる怖さを、立体や映像などを使った特別展示で紹介。そのほか、オバケ研究員たちが絵本や絵画、文学、あるいは未発見のオバケを調査し発表する「オバケ研究所」や、不思議で面白い展示空間がさまざまに出現します。
本展の企画・アートディレクションは髙田唯さん率いるAllright Graphicsが担当。そのほか、アートディレクターの祖父江慎さんや建築家の橋村雄一さんなど多彩なプロフェッショナルが「オバケ」を徹底的に掘り下げる、新しいタイプのテーマ展となっています。
会場:PLAY! MUSEUM
https://play2020.jp/article/obake/
■鈴木康広展 ただ今、発見しています。
二子玉川ライズ スタジオ&ホールにて、7月20日から9月1日まで開催される、アーティスト・鈴木康広さんによる企画展。
本展は、代表作の「まばたきの葉」や「空気の人」をはじめ、鈴木さんの繊細な視点と斬新な発想にもとづく「見立て」(=あるものを見て他の何かを連想し、新たな視点で捉えなおすこと)から生まれた作品たちに出会えます。
また、夏休みの工作や自由研究のヒントとなるワークショップも多数実施予定。現在進行形で生まれ続ける「発見」をお楽しみください。
会場:二子玉川ライズ スタジオ & ホール
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/24_suzuki.html
■空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン
東京ステーションギャラリーで7月13日から9月23日まで開催される本展。20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとり、ジャン=ミッシェル・フォロンの展覧会です。
マグリットの壁画に感銘を受け、絵画世界に惹きつけられたフォロン。色彩豊かで幻想的な詩情あふれる作品は、一見すると美しく爽やかにさえ感じられますが、そこには環境破壊や人権問題など厳しい現実への告発が潜んでいます。後年手がけた彫刻作品にも、孤独や不安といったそれまでのグラフィック作品に通底するフォロンのメッセージを読み取ることができるでしょう。
本展はフォロンの初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品までを含めた約230点を紹介する、日本では30年ぶりの大回顧展です。
会場:東京ステーションギャラリー
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202407_folon.html
■伊藤潤二展 誘惑
世田谷文学館にて、ホラー漫画家として著名な伊藤潤二さんの展覧会が9月1日まで開催中です。代表作には、『富江』シリーズ、『うずまき』などがあり、世界で最も権威のある漫画賞のひとつである米国アイズナー賞を、通算4度も受賞されています。
本展は初の大型原画展として、読者に衝撃を与えてきた傑作漫画の数々を貴重な原画や手描き資料をもとに紹介。会場は「美醜」「日常に潜む恐怖」といったテーマごとに構成されています。
展覧会ポスターからすでにヒヤッとする本展、美人画のような優美さとグロテスクさが同居した世界をお楽しみください。
会場:世田谷文学館
https://jhorrorpj.exhibit.jp/jiee/
■石田尚志 絵と窓の間
神奈川県立近代美術館 葉山にて、7月13日から9月28日まで、画家/映像作家の石田尚志さんの個展が開催します。
自らが描く絵画を連続的に撮影する手法で制作した映像作品により、1990年代から国内外で評価されてきた石田尚志さん。2015年以来の大規模な個展となる本展では、代表作と新作を中心に初公開の作品も多く紹介します。
映像と空間、あるいは立体造形とともに構成されるインスタレーションへの展開を経て、近年は10代以来となるカンヴァスに絵筆を走らせ、空間と時間を“静止した平面”に描き表すことに再び取り組んでいる氏のいまをご覧ください。
■おとなとこどもの自由研究 工芸の光と影展
石川の国立工芸館にて、8月18日まで開催中の本展。自然・人工を問わず日々目にする「光と影」に着目した展覧会です。
本展は、工芸が切り取って見せた光と影のそれぞれの方向、そしてその間で無段階に変化する美しさを訪ねる試みをおこなっています。物質感を豊かに抽出し、複雑さと合理性とを兼ね備えた構造から成る工芸。そこは光と影にとって絶好の舞台装置ともいえます。また、身近ではあっても決して触れることのできなかった現象を掌中に包み込み、身にまとうことさえできるのも工芸ならではの喜びです。
大人と子ども、それぞれの楽しみかた・深めかたを提案するプログラムも用意されているという本展。夏のひとときに、光と影のコントラストとハーモニーをお楽しみください。
■人間×自然×技術=未来展
東京・丸の内のSusHi Tech Squareにて、9月23日まで開催している本展。「人間×自然×技術=?」という、わたしたちの未来にとって大切な、だけど難しい問題に焦点を当て、クリエイターの発想とテクノロジーで、人間と自然が多様に関わり合う“新しい没入体験”を提供しています。
本展は、インタラクティブなメディアアートや体験型の展示を通し、未来の東京についてみんなで考えるきっかけをつくることを目的としています。持続可能な新しい価値を生み出すためのイベント「SusHi Tech Tokyo 2024」の展示も一部登場します。
また、週末には作品に関連したワークショップやイベントを多数開催。子どもから大人まで、没入し、考え、楽しめる体験型ミュージアムです。
会場:SusHi Tech Square 1F Space
https://sushitech-real.metro.tokyo.lg.jp/humannature/
子どもから大人まで、年齢問わず楽しめる展覧会も増えるこの時期。童心に戻った気持ちで展覧会やイベントを楽しんでみてはいかがでしょうか?熱中症に気を付けてデザインやアートに浸ってみてください。
(JDN編集部)