ゴルフトーナメント「資生堂 レディスオープン」デザインコンテストに込め...

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「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」を企業ミッションに掲げる、日本発のグローバルビューティーカンパニー「資生堂」。ビューティービジネスが本業の同社だがこれまで多くのスポーツ支援を行っており、2019年から新たにスタートしたのが、女子プロゴルフトーナメント「資生堂 レディスオープン」だ。

現在、そのトーナメントのメインビジュアルを公募する「資生堂 レディスオープン メインビジュアルデザインコンテスト2022」が、3月4日まで開催中。女性活躍支援の一環として開催される本大会が立ち上げられた経緯や、コンテストに込められた想いについて、資生堂ジャパン株式会社の上野朋子さんにお話をうかがった。

※取材はマスク着用の上、感染症対策を行い実施しました

未来のトップアスリートの飛躍の舞台に

――まずは改めて、御社の事業について教えていただけますか?

資生堂は今年創業150周年を迎えた化粧品会社で、約120の国と地域でグローバルに事業を展開しています。主力の化粧品事業のほか、「資生堂パーラー」などのレストラン事業、サロン経営などの美容室事業、事業所内保育所の運営サポートを行う保育事業など幅広く展開しており、「美の力」で人々が健やかに幸せになる社会の実現を目指しています。

上野朋子 資生堂ジャパン株式会社 事業マネジメント部 ジャパン広報グループ。営業、マーケティング、広報領域でのキャリアを経て、2019年よりスタートした「資生堂 アネッサ レディスオープン」、そして2021年からの「資生堂 レディスオープン」の大会運営事務局業務に従事。大会のコミュニケーションを中心に担当。プライベートでは3人の母親で、自身も競泳やヨガに取り組むスポーツ愛好家。

――では、2019年に女子プロゴルフトーナメント主催に参入された経緯についてお聞かせください。

東京オリンピック・パラリンピックに先立ち、スポーツを通じたマーケティングを行う部署が立ち上がり、メンバーが集められたのが最初です。これまでも資生堂では、企業ミッションを実現するためにいろいろな分野で美に関する情報や機会を提供してきましたが、スポーツを通じた美の提案もできるのではないかと考えています。また、女性のエンパワーメントを“美の力”で実現していく一環としても、女子プロゴルフトーナメント開催の話が進んでいました。

資生堂レディスオープン2021年大会の様子

――大会の概要についても教えてください。

「資生堂 レディスオープン」は、一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(以下、JLPGA)公認のトップツアー「JLPGAツアー」として、毎年7月に神奈川県の戸塚カントリー倶楽部で開催しています。

プロゴルファーは合格率約3%という狭き門のプロテストを突破してプロになるのですが、トップツアーはそこからさらに選ばれた上位選手の戦いの場です。そこで、若手の選手などまだ機会の少ない方々にも門戸を広げ、私たちの大会を飛躍のきっかけにしていただきたいと考えました。研鑽を重ねた選手たちのプレーを見た方々が勇気や感動をもらうことで心身や生活に健やかさをもたらし、社会を豊かにすることができればと考えています。

――ゴルフというスポーツに着目されたのはなぜでしょうか?

「化粧品メーカーの資生堂がゴルフ大会?」と疑問に持たれる方もきっといらっしゃると思います。ゴルフは老若男女を問わずアクティブに輝くことができる生涯スポーツであり、昨今は、多くの女性アスリートの活躍が世界中で感動を与えています。これまで資生堂のことをご存じなかった方々にも、大会をきっかけに資生堂という会社の想いを理解していただき、ファンになっていただけたらと考えています。

2019年大会の様子

――大会テーマの「強く、美しく、輝くとき。」には、どんな想いが込められているのでしょうか。

スポーツには、心身の健康を支え、美しさを引き出す力があります。研ぎ澄まされた強く、美しいプレーが輝きを放つとき、勇気や感動が生まれ、前へ進む力につながっていく。そんな想いで、この「強く、美しく、輝くとき。」というテーマを掲げています。

2019年の第1回は「資生堂 アネッサ レディスオープン」としてスタートし、日焼け止めブランド「アネッサ」をシンボリックブランドに、太陽の下でアクティブに健康的に過ごしていただこう、というコンセプトでつくりあげていきました。2020年はコロナの影響で開催できなかったのですが、2021年は大会名称を「資生堂 レディスオープン」に改め、より企業姿勢を強く打ち出していくことになりました。

とはいえ、その根底にある精神は第1回から変わっていません。この大会を通して、努力や挑戦の日々を積み重ねてきたアスリートたちの活躍を応援することが、スポーツを楽しむすべての人々のウェルネスにつながってほしいと願い、開催しています。

――ちなみに、こういったスポーツ大会の主催は「資生堂 レディスオープン」が初めてなのでしょうか。

当社はスポーツ大会の協賛をこれまで数多く行ってきました。代表的なものは、1979年から始まった東京国際女子マラソンです。まだフルマラソンが女性にとってハードルが高いといわれていた時代に、世界で初めて国際陸上競技連盟公認のもと開催された国際的な女子マラソン大会で、資生堂は女性活躍支援として1999年まで単独協賛しました。そのときに発足した当社のランニングクラブは現在もトップレベルで活動を行っていて、昨年の全日本実業団対抗女子駅伝競走大会(クイーンズ駅伝)では準優勝しました。そのほかにも体操やビーチバレーなど、いろいろな競技をサポートしてきました。

2021年11月に開催された、「第41回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会(クイーンズ駅伝)」のゴールの様子(Photo:🄫Getsuriku)

ただ、協賛と主催では位置づけがまったく異なり、今回の「資生堂 レディスオープン」のように「主催」となると、トーナメントの運営からコンセプトづくり、Webサイトの立ち上げなどすべて自分たちでやらないといけません。大変ではありますが、その分やりがいも感じています。

身体を動かすことから始まる「スポーツSDGs」というアプローチ

――本大会では「スポーツSDGs」にも取り組まれていますね。

SDGs(持続可能な開発目標)には17の目標が掲げられていますが、そのなかでも、スポーツの力を活用したSDGsの達成として、この大会では特に3つの目標を大切にしています。それが「目標3 すべての人に健康と福祉を」「目標5 ジェンダー平等を実現しよう」「目標12 つくる責任・つかう責任」です。

スポーツなどで身体を動かすことは、ライフスタイルや精神的にも安定をもたらし、健康へと導きます。またスポーツを通じて、ジェンダー平等の意識を高めることができますし、スポーツイベントに参加することで、環境への配慮を深めることができます。「資生堂 レディスオープン」では、大会を楽しみながら、こうしたスポーツSDGsについても知ってもらいたいと考えています。

――恥ずかしながら、「スポーツSDGs」というキーワードは今回初めて知りました。

実は私たちも大会運営に関わるまで知らなかったんです(苦笑)。それでセミナーを受けたり深く調べていくなかで、スポーツがSDGsに取り組むきっかけとしてすごく有効であることを知りました。スポーツというとハードな競技をイメージしがちですが、体を動かすことはどんなことでもスポーツの一環だと思います。たとえば地域のラジオ体操に参加することでもいいし、スポーツ会場に行く道中のゴミ拾いでもいい。また、日常のスポーツシーンの中で、「これって地球に優しい?」「不平等じゃないよね?」と、少し視野を広げて考えてみることからもスポーツSDGsは取り組み始められます。

何かしら身体を動かすことをスポーツと捉えて行動することで、自分自身が健康になり、地域とのつながりが生まれ、環境に配慮できて、さらに人が動くことで経済も活性化される。スポーツをきっかけに、一人ひとりができることをすることで、より良い社会にしていくループが生まれていくのだと思います。

SDGsという言葉は知っていても、なかなか理解しにくいし、自分とは関係のないことだと思ってしまいがちですよね。さらにスポーツSDGsについては、海外に比べて日本ではまだまだ認知が低く、浸透していません。この大会をきっかけに、いろいろな方が「スポーツSDGsってこういうことか」と気付いていただけると嬉しいなと思っています。

また、資生堂では現在、サステナビリティを経営戦略の中心に位置付けています。本業であるビューティービジネスを通じて、環境問題などを含む社会課題に取り組むことで、企業の存在価値を高めていきたい。そうした企業戦略の一環として、スポーツを通じた社会貢献を目指したい、という想いもこの大会には込められています。

資生堂の企業活動としてはほかにも、化粧のちからを活用し、がんになっても笑顔で生活できる社会の実現を目指す「LAVENDER RING」において、ヘアメイクとポートレート撮影を通じて社会復帰の一助を行う「MAKEUP&PHOTOS WITH SMILES」の主宰などさまざまありますが、そのなかでも「資生堂 レディスオープン」は認知度や規模の面でも有数の活動になります。この大会を、企業の姿勢をしっかり伝えていける場にしたいと考えています。

2017年8月にキャンサーネットジャパン主催イベント「キャンサーフォーラム」でのMAKEUP&PHOTOにて資生堂フォトグラファー金澤正人により撮影された写真。

――上野さんご自身も、スポーツがお好きだとうかがいました。

そうなんです。実は明日(取材日翌日)もマスターズ水泳の大会に出るんですよ。大会といってもマスターズ水泳は参加者の年齢層も幅広く、いろんな大会があるので誰でも出られるんです。私は幼少期から高校まで水泳をやっていて、奈良県の学童記録を出したりもしていましたが、大人になってからはゆるゆると続けていました。子育てが落ち着いた4年前からチームに所属して大会に出るようになり、チームの仲間と励ましあったり、次の大会に向けて「筋トレしなくちゃ」と目標ができるので、生活スタイルや考え方にも変化が生まれ、リスタートしてからすごく充実しています。

海や湖で行われるオープンウォーターの大会に出るときは、環境についてより深く考えるようになりました。また、日本は長寿国なので、マスターズの大会で日本人が世界記録を出すこともよくあり、その姿を見ると「90代でこんなに頑張っている人がいるし、私も努力したい」と、力が湧いてきます。年齢や性別、国籍を問わずいろんな人が同じフィールドで想いを共有しながら意識を高めていけるスポーツは、SDGsに取り組むすごくいいアプローチになるんだなと自分の体験からも実感しています。

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