見たい、知りたい!今月のイベント―2021年11月

鈴木康広, 東京オペラシティ アートギャラリー, 京都dddギャラリー, 印刷博物館, 静岡市美術館, 和田誠, ポーラ美術館, 石岡瑛子, ロニ・ホーン, いえだゆきな,アート,グラフィックデザイン,プロダクトデザイン

10月に緊急事態宣言が解除され、徐々に街の賑わいも戻ってきましたね。毎年秋に盛り上がりを見せるイベントや展覧会にも多くの人が参加しているように感じます。

11月も終わりのタイミングですが、今月は水をテーマにした彫刻作品、イラストレーターの和田誠さん、アーティストの鈴木康広さんにまつわる展示など、12月半ばまで開催されているイベントを中心に5つご紹介します!

ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?

ポーラ美術館で来年3月末まで開催されているのは、アメリカの現代美術を代表するアーティスト、ロニ・ホーンの個展です。本展は、国内の美術館におけるホーンの初個展となります。

テムズ川の水面やアイスランドの温泉、島の地図、水鏡を思わせるガラスなど、ホーンの作品の多くは自然と密接に結びつきながら、極めてシンプルに削ぎ落された形式で展開されています。作品は、写真や彫刻、ドローイング、本など多岐にわたりますが、一つの概念が多様な作品へと形を変えて現れる様は、環境や周囲との関わりによって姿を変える、「水」の性質を想起させます。

《ウェル・アンド・トゥルーリー》2009-2010年 10点組、鋳放しの鋳造ガラス 個人蔵 展示風景:「ウェル・アンド・トゥルーリー」ブレゲンツ美術館(オーストリア)2010年 Photo: Stefan Altenburger ©Roni Horn

本展では、近年の代表作であるガラスの彫刻作品をはじめ、1980年代から今日にいたるまでの約40年間におよぶ作品の数々を紹介しながら、水のようにしなやかに多様な解釈を受け入れる彼女の作品のあり方を探ります。

会期:2021年9月18日(土)~2022年3月30日(水)
場所:ポーラ美術館
https://www.polamuseum.or.jp/sp/roni-horn/

和田誠展

東京オペラシティ アートギャラリーで12月19日まで開催されているのは、イラストレーターやグラフィックデザイナーとして広く知られている和田誠さんの展覧会です。映画監督やエッセイスト、アニメーション作家、作詞・作曲家、編集者などほかにもさまざまなジャンルで活発な創作活動を行った和田さんは、いずれのジャンルでも高い評価を得ており、その膨大で多岐にわたる全体像は計り知れません。

©Wada Makoto

本展は、2019年に逝去された和田さんの仕事の全貌に迫る初めての試みです。代表的な仕事を中心としたビジュアル年表や彼の輪郭をとらえる上で欠くことのできない約30のトピックスを軸に、およそ2,800点の作品や資料を紹介。また、幼少期に描いたスケッチなどを交え、その創作の源流を紐解きます。

会期:2021年10月9日(土)~12月19日(日)
場所:東京オペラシティ アートギャラリー
https://wadamakototen.jp/

SURVIVE – EIKO ISHIOKA /石岡瑛子 デザインはサバイブできるか

京都dddギャラリーにて「SURVIVE – EIKO ISHIOKA /石岡瑛子 デザインはサバイブできるか」が、12月18日まで開催。

1960~70年代の東京で、資生堂やパルコ、角川書店などのアートディレクターとして、広告界にセンセーションを巻き起こした石岡瑛子さん。当時世の中にある「女性」のイメージをことごとく覆し、1980年代の「女の時代」到来の布石を打ちました。特に、70年代、最も熱いメッセージを送り続けた一連のパルコのポスターは、広告の領域を超えて強烈なアートとして時代を彩りました。

Designed by Hiroaki Nagai

2020年12月から2021年3月まで東京のギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催され、好評を博した個展を再編成した巡回展の本展では、資生堂やパルコなどの広告キャンペーンの名作をはじめ、映画や演劇のポスター、レコードジャケット、自著を含めた多様なブックデザインのほか、おもに1980年代のニューヨークへ渡るまでの日本の仕事に焦点を当てています。

さらに、日宣美賞受賞作品や学生時代のスケッチ、制作過程の一環を垣間見ることのできる校正指示やアイデアラフなど、クリエイティブに対する情熱を伝える作品・資料を、石岡瑛子さんの言葉とともに展開します。

会期:2021年10月16日(土)~12月18日(土)
場所:京都dddギャラリー
https://www.dnpfcp.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=2&seq=00000776

現代日本のパッケージ 2021

社会と強く結びつきながら日々試行が繰り広げられ、デザインや機能が進化しているパッケージ。あらゆる人が使いやすいユニバーサルデザインや地球環境に優しいエコロジーなど、一般にも馴染みのある社会的テーマはパッケージ制作の課題とも重なっています。

印刷博物館のP&Pギャラリーで12月5日まで開催されている本展では、こうした時代のニーズや今後想定される解決すべき課題に対し、パッケージの現場で重ねられた取り組みの成果を知る機会の一つとして、日本で開催されている大規模なパッケージコンクールの受賞作を紹介します。

本展は、消費者が直接手にするものから普段はあまり目にすることのない輸送梱包など、展示されたさまざまな種類のパッケージを通じ、身近な存在でありながら、普段はなかなか深く知る機会の少ないパッケージの面白さに触れることができる機会となりそうです。

会期:2021年10月16日(土)~12月5日(日)
場所:印刷博物館 P&Pギャラリー
https://www.printing-museum.org/collection/exhibition/g20211016.php

鈴木康広 まばたきの葉|未来の待ち合わせ場所

日常の見慣れた事象に新鮮な切り口を与える作品によって、ものの見方や世界の捉え方を問いかける活動を続けているアーティストの鈴木康広さん。《まばたきの葉》《まばたき証明写真》《自然を測るメトロノーム》など、鈴木さんの代表作が静岡市美術館のエントランスホールに12月19日まで登場します。

本企画は、静岡市美術館開館10周年にあたる昨年度に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により延期。延期となったこの1年+αという時間のなかで、日々の生活だけでなく、美術館をとりまく状況も大きく変わりました。均一に流れていると思われる時間も、捉え方や感じ方はひとりひとりで異なり、そこには多様な視点が存在しています。不確かな時間に身を置くいま、鈴木さんの作品を通して過去/現在/未来の新しい関係性に思いを巡らせる機会となるでしょう。

会期:2021年11月30日(火)~12月19日(日)
場所:静岡市美術館 エントランスホール
https://shizubi.jp/event/4017/

年末に向けてどんどん時間が経つのが早く感じる時期ですが、気になる展覧会やイベントはどうぞお早めに!

また、今月からタイトル画像が新しくなりました!手がけていただいたのは、イラストレーターのいえだゆきなさんです。心の奥がじんわりと温かくなってくるような色合いや描写が美しい1枚になっています。いえださんのInstagramでも素敵なイラストが満載なので、ぜひチェックしてみてください!

タイトルデザイン:いえだゆきな 構成:石田織座(JDN)

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