見たい、知りたい!今月のイベント―2021年6月

世田谷文学館, 大原大次郎, 安西水丸, 矢後直規, 東京ミッドタウン・デザインハブ, OFS gallery, 加瀬透, PLAY! MUSEUM, 酒井駒子, 滋賀県立美術館, 汐田瀬里菜, 竹田美織, 矢入幸一, 宮岡瑞樹,アート,映像・写真,プロダクトデザイン,ファッション,エンターテインメント,メディアデザイン

暑い季節がじわじわと近づいていることを感じる6月。春頃に休館中だった美術館やギャラリーも、それぞれの感染症予防対策を行いつつ再開されているところが多いです。

今月ももうすぐ終わりですが、来月以降も開催されている5つのイベントをご紹介します。美術館やギャラリーに行く予定のある方はぜひ候補のひとつにどうぞ!

イラストレーター 安西水丸展

1970年代から小説や漫画、絵本、エッセイ、広告など多方面で活躍したイラストレーターの安西水丸。村上春樹をはじめとする本の装幀や、『がたん ごとん がたん ごとん』といった絵本、和田誠との展覧会など幅広く活躍されました。

「その人にしか描けない絵」を追求し、身近なものを独自の感性で表現した作品は、私たちをユーモアと哀愁あふれる世界へと誘います。

安西水丸展

展覧会メインビジュアル

世田谷文学館で9月20日まで開催されている本展は、「小さい頃よりずっと絵を描くことが好きだった」という安西さんの幼少期から晩年にいたるまでの足跡を、原画と関連資料あわせて500点以上により紹介するもの。

「旅」をテーマにした特別コーナー「たびたびの旅」では、旅にまつわる原画や原稿、郷土玩具、民芸品など初出品資料を含む約130点を展示。生涯で国内外のさまざまな場所を訪れた「旅する人」・安西水丸にも迫ります。

会期:2021年4月24日(土)~9月20日(月)
場所:世田谷文学館
https://www.setabun.or.jp/exhibition/20210424-0831_AnzaiMizumaru.html

企画展示「みみをすますように 酒井駒子」展

7月4日までPLAY! MUSEUMで開催されている「みみをすますように 酒井駒子」展は、『よるくま』『金曜日の砂糖ちゃん』(いずれも偕成社)などで知られる絵本作家・酒井駒子さんにフォーカスをあてた企画展です。子どもや動物、情景の繊細な描写と絵と響き合う詩的な文が多くの人々を魅了してきた酒井さんの作品。ブラチスラバ世界絵本原画展での金牌やオランダ「銀の石筆賞」を受賞するなど、海外でも高い評価を得ています。

本展では、これまでに刊行された20冊を超す絵本を中心に、約200点の原画を厳選。「ひみつ」「はらっぱ」「くらやみ」「こども」などのキーワードに分けて空間を構成しています。会場内には、酒井さんが制作を行う山のアトリエ周辺の映像や音、大切にしている小さなおもちゃやオブジェも並びます。

「みみをすますように 酒井駒子」展

なお、本展のチラシやポスター、図録のデザインは『金曜日の砂糖ちゃん』(偕成社)のブックデザインを手がけたコズフィッシュ(祖父江慎+藤井瑶)が担当。会場ディスプレイは京都在住のフランス人ユニット2m26が手がけています。作品はもちろん、会場では展覧会のビジュアルデザインや空間デザインにも注目してみてはいかがでしょうか。

会期:2021年4月10日(土)~7月4日(日)
場所:PLAY! MUSEUM
https://play2020.jp/article/komako-sakai/

東日本大震災とグッドデザイン賞 復興と新しい生活のためのデザイン展

東京ミッドタウン・デザインハブでは、「東日本大震災とグッドデザイン賞 復興と新しい生活のためのデザイン展」を7月5日まで開催しています。

2011年の東日本大震災の発災以降、グッドデザイン賞などを通し、さまざまなかたちで復興のためのデザインへの支援をおこなってきた日本デザイン振興会。本展は、2011年度から2020年度の10年にわたり、東北6県および茨城県からグッドデザイン賞を受賞した522件のデザインをグラフィックで紹介するとともに、そのうちのグッドデザイン・ベスト100以上を受賞したデザイン(および関連するデザイン)を前期・後期に分けて展示します。

東日本大震災とグッドデザイン賞 復興と新しい生活のためのデザイン展 メインビジュアル

会場では防災や復興を支える重要なデザインもピックアップし、2011年以降に災害という課題にデザインがどう応えようとしてきたか、その一端をグッドデザイン賞を通して知ることができるはずです。

会期:2021年6月12日(土)~7月5日(月)
場所:東京ミッドタウン・デザインハブ
https://designhub.jp/exhibitions/6727/

音楽とグラフィック

東京・白金のOFS galleryで7月25日まで開催されている「音楽とグラフィック」は、レコードジャケットのグラフィックに着目した展覧会です。

その音楽性だけではなく、その時代の思想・芸術・デザイン・ファッションなどの文化的背景が含まれているレコードジャケットのグラフィック。アンディ・ウォーホルがプロデュースした「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」のデビューアルバムはポップアートそのものであり、ザ・ビートルズの「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド」は英国のポップアートの巨匠ピーター・ブレイクが手がけたことで知られています。

レコードジャケットという表現メディアがクリエイションの可能性を広げ、アーティストやデザイナーはそのフレームの中で傑作を生み出し、自らの作品性を打ち出してきました。

本展では、日頃音楽に親しむグラフィックデザイナー6名(大原大次郎、加瀬透、汐田瀬里菜、竹田美織、矢入幸一、矢後直規)がSpotifyで自分のプレイリストを作成し、アイコンとなるグラフィックを制作。それをもとにして音楽とデザインのイマジネーションを独自の見解でヴィジュアルやツールに落とし込み、自由に表現しています。

また、プレイリストの公開や、作品・グッズの販売、その他オンライン上での企画を展開予定。現代ならではの音楽とグラフィックの可能性を探る展覧会です。

会期:2021年6月18日(金)~7月25日(日)
場所:OFS gallery(OUR FAVOURITE SHOP内)
http://ofs.tokyo/music_and_graphic

Soft Territory かかわりのあわい

改修工事のため一時休館していた滋賀県立近代美術館が「滋賀県立美術館」に名称を変更し、2021年6月27日にリニューアルオープン。リニューアルオープン第1回目となる企画展「Soft Territory かかわりのあわい」は、テリトリーについて改めて考える機会になる展覧会です。

テリトリーとは、生き物のなわばりのこと。食べるものを手に入れ、仲間やパートナーとともに日々の生活を送るフィールドであり、時には命をかけて守り、奪うもの。そんなテリトリーという言葉からは、生き物の命がかかった鋭さや、他者を拒絶する頑なさが感じられます。

人間の世界では、国家間の戦争、地域間の紛争、家と家、家の中での諍いなど、テリトリーを守ろうとするあまり、自分のつながりに含まれないものを排除しようとすることもあります。さらに新型コロナウイルスの感染拡大が、人と人とのつながりを分断し、かかわり方のかたちを変えてしまった結果、これまでとは異なるテリトリーの姿が生み出されつつあります。

河野愛《こともの foreign object》 2021年

河野愛《こともの foreign object》 2021年

そんな今だからこそ、テリトリーについて改めて考えてみたいという思いから企画された本展。約4年間の休館中に美術館というテリトリーを離れて、県内のさまざまな地域でアートスポットプロジェクトを開催してきた同館の集大成とも言える本展では、滋賀にゆかりのある12人の若手作家とともに、かかわりのあわいで生まれるものを見つめ、かろやかでやわらかなテリトリーのあり方を探ります。

会期:2021年6月27日(日)~8月22日(日)
場所:滋賀県立美術館

Soft Territory かかわりのあわい

以上、今月は5つのイベントをご紹介しました。来月は夏休みに向け、探求心を刺激するようなイベントをご紹介予定です。

また、今月からタイトル画像が新しくなりました!手がけていただいたのは、イラストレーターの宮岡瑞樹さん。よく見るとゆらゆら揺れている線の描き方や、色と色の交わる部分が滲んだような独特の表現が美しい1枚になっています。宮岡さんのInstagramでも素敵なイラストが満載なので、ぜひチェックしてみてください!

タイトルデザイン:宮岡瑞樹 構成:石田織座(JDN)

Comments (0)
Top