見たい、知りたい!今月のイベント―2020年10月

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10月に入り、すっかり日が短くなってきましたね。芸術の秋と呼ばれる季節ですが、例年にくらべるとコロナウィルスの影響か少しイベントの数が少ない気がしています。ただ、今年はオンラインで開催されるものもあったりと、開催方法のバリエーションに富んだものが増えていますね。

今月は、誰もが知る絵本作家の展覧会や、食欲の秋にぴったりのお菓子に関する展覧会、三密を避けて開催される芸術祭などをご紹介します。

だれも知らないレオ・レオーニ展2020

板橋区立美術館で10月24日から開催される「だれも知らないレオ・レオーニ展2020」。幅広い世代から愛される絵本『スイミー』や『フレデリック』の作者として知られる、レオ・レオーニの企画展です。

レオーニは、ヨーロッパとアメリカ、グラフィックデザインとファインアートといった異なる世界を自由に行き来しながら、自分とは何者かを模索し続けていました。若い頃から政治活動にかかわり、芸術家の社会的な役割を意識し、さまざまな葛藤の中で自分のやるべきことを見つけていったと言われています。

レオ・レオーニ「スイミー」 1963年<br />Swimmy ⓒ 1963 by Leo Lionni, renewed 1991/Pantheon<br />On Loan By The Slovak National Gallery

レオ・レオーニ「スイミー」 1963年
Swimmy ⓒ 1963 by Leo Lionni, renewed 1991/Pantheon
On Loan By The Slovak National Gallery

本展では、人気の絵本原画はもちろんのこと、多数の油彩画や政治風刺イラスト、制作のためのスケッチなど、これまで公開されることのなかった作品も多数紹介されます。“だれも知らない”レオーニの深く、魅力的な世界を知ることができる貴重な機会です。

会期:2020年10月24日(土)~2021年1月11日(月)
場所:板橋区立美術館
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001385/4001386.html

トランスレーションズ展-「わかりあえなさ」をわかりあおう

21_21 DESIGN SIGHTで10月16日から開催中の企画展『トランスレーションズ展-「わかりあえなさ」をわかりあおう』。本展では、「翻訳=トランスレーション」と呼ばれる行為をある種の「コミュニケーションのデザイン」とみなし、普段から何気なく使っている言葉の不思議さや、そこから生まれる「解釈」、「誤解」のおもしろさを実感できる空間をつくり、互いの「わかりあえなさ」を受け容れあう可能性を提示するというものです。

展覧会メインビジュアル

展覧会メインビジュアル

展覧会ディレクターには、アートやデザインの領域をまたぎ、さまざまな表現媒体に携わる情報学研究者のドミニク・チェンさんを迎え、会場構成はnoiz、グラフィックデザインをコズフィッシュの祖父江慎さんと藤井瑶さんが担当しています。

ポスターひとつをとっても、タコやウサギのような生物でもあり、何かの細胞、はたまた模様のような不思議なビジュアルになっている本展。体験することで自分のコミュニケーションの考え方が何かひとつ更新されるような展覧会になりそうです。

会期:2020年10月16日(金)~2021年3月7日(日)
場所:21_21 DESIGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp/program/translations/

ようこそ!お菓子の国へ― 日本とフランス甘い物語 ―

虎屋の赤坂ギャラリーで来年4月まで開催されているのは、「とらや パリ店」40周年を記念した展示「ようこそ!お菓子の国へ― 日本とフランス甘い物語 ―」。

フランス菓子界を牽引する「ピエール・エルメ・パリ」の協力のもと、和菓子・フランス菓子の魅力と文化的背景に迫った、スイーツファン必見の展示です。

テーマは「日仏の菓子くらべ」。まったく異なる風土と歴史をもつ日本とフランスですが、それぞれ独自の菓子文化が生まれ、花開いたという点は共通しています。本展では、「歴史」「くらしとの関わり」「職人」など、さまざまな切り口で和菓子とフランス菓子の魅力を紹介します。

お菓子を通して、日本とフランスの文化の違いや意外な共通点を発見できる展示です。両国が育んだ甘い物語を、ぜひお楽しみください。

会期:2020年9月26日(土)~2021年4月11日(日)
場所:虎屋 赤坂ギャラリー
https://www.toraya-group.co.jp/toraya/news/detail/?nid=785

MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館

多くの芸術祭が新型コロナウイルスの影響で中止となっていますが、「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」は広大な地域で「三密」を避け実現する芸術祭です。ライゾマティクス・アーキテクチャー代表の齋藤精一さんが、同芸術祭のプロデューサーを務めています。

“歩く芸術祭”として開催される同芸術祭では、奈良県の3つの地域(吉野町、天川村、曽爾村)を舞台に、それぞれ3~5時間ほどかけて自然に包まれながらアート作品を鑑賞・体験することができます。ルートや作品の設置場所は登山アプリ「YAMAP」を導入しています。

今この時期だからこそ自分の足で歩き、アートを通して身体と自然を感じる体験をしてみてはいかがでしょうか。

会期:2020年10月3日(土)~11月15日(日)
場所:奈良県吉野町、天川村、曽爾村
https://mindtrail.okuyamato.jp/concept.html

詩(うた)と生活(くらし)とデザイン展

世界有数の銀鉱山として、戦国時代後期から江戸時代前期の最盛期には数万人の人々で賑わっていたという島根県の石見銀山大森町。閉山とともに過疎が進みましたが、町民たちは常に時代の流れに向き合い、歴史を受け継ぎながらこの地での暮らしを築いていました。2007年に「ユネスコ世界遺産」に登録されてからは、町並みを観に、多くの人々が訪れています。

そんな大森町の新たな試みとして、町並み全体を一つのミュージアムに見立てて、作品や文化財を観て歩けるイベント「石見銀山ウォーキングミュージアム」が開催されています。同イベントの1回目となる企画展が「詩(うた)と生活(くらし)とデザイン展」です。

藤井保

藤井保

本展は、町内で展示される参加作家の作品や暮らしの道具や設えを通じて、それぞれの「デザイン」の視点を体感できる企画展です。大田市在住の詩人・佐々木寿信さんとグラフィックデザイナー・葛西薫さんがともに制作した詩集や映像作品を起点に、大田市出身の写真家・藤井保さん、大森町在住の彫刻家・吉田正純さん、グラフィックデザイナー・佐藤卓さんらの作品と、古くからの暮らしの道具や痕跡を、町内数カ所の歴史的建造物をメイン会場に観ることができます。

会期:2020年7月18日(土)~11月3日(火)
場所:【メイン会場】石見銀山資料館、重要文化財 熊谷家住宅、ひまわり館、代官所地役人 旧河島家、無邪く庵、群言堂本店
https://www.gungendo.co.jp/lp/details/006110.php

コロナ禍で在宅期間が長く、ちょっと視点を変えてみたいなという方や、さまざまなアーティストや作家の創造性を体感したいという方はぜひお出かけの参考にしてみてください。「三密」は避け、良い芸術の秋をお過ごしくださいね。来月も編集部おすすめの展覧会やイベントをご紹介します。

タイトルデザイン:石井嗣也 構成:石田織座(JDN)

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