見たい、知りたい!今月のイベント―2020年3月

クリエイションギャラリーG8, 豊田市美術館, 東京都現代美術館, 原田祐馬, 久門剛史, UMA / design farm, 柳宗理, 島根県立美術館, オラファー・エリアソン, ATELIER MUJI GINZA,アート,グラフィックデザイン,プロダクトデザイン

3月も中旬に入り、卒業や送別会など新たな旅立ちを爽やかに迎える季節ですが、今年はコロナウイルスの影響で普段と違った様相を呈していますね。

JDNでも、掲載しているイベントや卒展などの中止や延期が相次ぎ、悲しい気持ちが続きますが、今月も変わらず編集部おすすめのイベントをいくつかご紹介していきます!

Tomorrow is Today: Farming the Possible Fields

クリエイションギャラリーG8では、UMA / design farmによる「Tomorrow is Today: Farming the Possible Fields」展が2月25日から3月28日まで開催中です。

原田祐馬さんにより2007年に設立されたUMA / design farmは、大阪を拠点に活動するデザインスタジオです。グラフィックだけではなく、建築家や編集者と協働し、図書館や学校、障害者福祉施設などの仕組みづくりからサイン計画も手がけ、プロジェクトの上流から地域やその場に媒介し、当事者と共に考え、共につくるデザインを、対話と実験を繰り返して実践しています。人、場所、分野を越境するデザイン手法により、循環と可能性を生み出す仕組みを提案し続けています。

Photo: YOSHIRO MASUDA

Photo: YOSHIRO MASUDA

本展では、プロジェクトにどんな人たちが関わり、何を思い、共につくりあげたのか、その言葉を伝えるインタビューやデザインプロセス、そこで紡がれた物語を交えて展示します。奈良県奈良市の福祉施設「たんぽぽの家」と障害のある人たちの仕事づくりを行う「Good Job! Project」、大津市湖岸なぎさ公園サインデザインのプロセスや、UR都市機構での鳥飼野々2丁目団地など6つの団地の外壁修繕色彩計画では、デザインがどのように地域の人々の暮らしの一部になっているのかをご紹介します。

領域横断的にプロジェクトを行うUMA / design farmは、日常の未来を考え、デザインが日々の生活に溶け込む環境を探究しています。あらためて社会におけるデザインの役割を考える展覧会です。

会期:2020年2月25日(火)~2020年3月28日(土)
場所:クリエイションギャラリーG8
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/tomorrow-is-today/tomorrow-is-today.html

Mermaid Wave

株式会社竹尾 見本帖本店にて、アートディレクターの関本明子さんディレクションによる展示「Mermaid Wave」が3月9日から4月10日まで開催されています。

紙をめぐるさまざまなテーマのもと、多様な切り口で紙の可能性を探る展示を企画している同社。本展では、1956年の誕生以来、半世紀以上にわたって愛されてきたファインペーパー「マーメイド」にフォーカスをあてています。

アートディレクションは、さまざまなブランドのロゴデザインやパッケージデザイン、商品開発などを手がけている関本明子さん。本展では、現代的で豊かな色と、組箱などにも使用できる新しい厚さが加わった「マーメイド」の魅力を引き出しています。

会期:2020年3月9日(月)~4月10日(金)
場所:株式会社竹尾 見本帖本店 2F
https://www.takeo.co.jp/exhibition/mihoncho/detail/20200309.html

久門剛史 − らせんの練習

豊田市美術館にて、3月20日から6月21日まで開催される「久門剛史 − らせんの練習」は、新進作家・久門剛史さんによる国内初の大規模な個展です。久門さんは、日常的な現象や特定の場所がもつ記憶、歴史を採取し、それらを音や光、立体などの断片を用いて観る者の身体感覚を静かに、強く揺さぶる空間をつくり出します。私たちの知覚を研ぎ澄ますように促し、モノに潜在する「永遠性」と「唯一性」についてメタフォリカルに問いかける作品は、国内外で高く評価されています。

劇場作品『らせんの練習』 2019年、ロームシアター京都 <br />撮影:来田猛 <br />Courtesy of Kyoto Experiment

劇場作品『らせんの練習』 2019年、ロームシアター京都
撮影:来田猛
Courtesy of Kyoto Experiment

本展では、豊田市美術館の4つの展示室からなる、延べ約1,000m2の空間を使い、それぞれの場に呼応する新作インスタレーションを展開。展覧会タイトルを「らせんの練習」と題したのは、久門さんご自身。真上から見て円だと認識していたものが、視点を変えて見たときに、はじめて螺旋だと気づくように、観る人それぞれの時間と空間の発見や新しい知覚の拡張につながる体験を実感できる展覧会です。

会期:2020年3月20日(金)~6月21日(日)
場所:豊田市美術館
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/hisakado/?t=plan

「かたちときもち 吉の毎日」展

ATELIER MUJI GINZAでは、3月13日から6月21日まで「かたちときもち 吉の毎日」展が開催。日本には、簡素な所作でていねいに心と心を伝えあう、美しい文化があります。贈答の際の包みと結びの礼法の「折形(おりがた)」は、現代を生きる私たちの営みの中で日々息づいています。本展は、その知恵と美意識に育まれ今を生きる、「かたち」と「きもち」を紹介するもの。

本展の企画協力・グラフィックデザインは、折形デザイン研究所が担当。伝統的な「折形」をモダンデザインの観点から捉え、現代の暮らしへ取り入れることを目指し、展覧会やワークショップ、オリジナル商品の開発などさまざまな活動を通して、折形の美と精神を伝えています。

本展で所作やかたちの意味を知ることで、贈るとき、贈られるときの気持ちに変化が起きそうな展覧会です。

会期:2020年3月13日(金)~2020年6月21日(日)
場所:ATELIER MUJI GINZA
https://atelier.muji.com/jp/exhibition/678/

柳宗理デザイン 美との対話

島根県立美術館では、戦後日本を代表するデザイナーとして知られる柳宗理の展覧会「柳宗理デザイン 美との対話」が、1月24日から3月23日まで開催されています。

柳宗理(1915-2011)は、民藝運動の創始者・柳宗悦を父に、クラシックのアルト歌手を母に持つ家庭で育ちます。終戦後に本格的にデザインの仕事を始め、柳工業デザイン研究会を設立し、日本においてプロダクトデザインが大きく発展していった時期に、重要な役割を果たしました。

本展では、幅広いデザイン分野で活躍し、世界的にも高い評価を受けている柳宗理の仕事の全貌に迫ります。加えて日本民藝館の館長も務めた柳宗理の蒐集品や、山陰の民藝との深い関わりについてもご覧頂けます。スプーンやフォークといった小さな生活用品から、高速道路の防音壁のような大型公共構造物まで、宗理がその造形的感覚と「手」によって生み出したデザインの「美」をご覧下さい。

会期:2020年1月24日(金)~2020年3月23日(月)
場所:島根県立美術館
https://www.shimane-art-museum.jp/exhibition/2020/01/038373.html

今月は5件、3月13日現在、開催中のイベントをご紹介しました。現在の状況が1日も早く収束するよう祈るばかりですが、どうしても気分が落ち込んでしまった時など、お出かけの参考にしてみてください。

また、今月からタイトル画像が新しくなりました!手がけていただいたのは、イラストレーターの飯尾あすかさん。猫や歩いていくイメージ、チケットなど展示に行くワクワク感を描いてくださいました。来月も編集部が気になるイベントをご紹介しますのでお楽しみに!

タイトルデザイン:飯尾あすか 構成:石田織座(JDN)

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